アインシュテルング効果とは
「アインシュテルング効果」とは、オーストラリアおよびイギリスの心理学・理論脳科学の研究によって発表されたもので「特定の事象に脳が固執してしまう」ことを表したものです。
「アインシュテルング効果」のことを別名「構え効果」ということもあり、1940年頃からそうした人の思考パターンがあることは経験的に知られてきました。
2014年に、研究によりその存在が明らかになりましたが、それ以前から存在を理解し、意識してそうしたパターン思考にならないようにしてきたという偉人も多く見られています。
まず「アインシュテルング効果」とは何かということを簡単に説明すると、これは普段から同じような作業や考え方をしていると、その考えに固執をするようになり、新しい発想を拒否するようになるということを示します。
これをわかりやすく示したのが「ルーチンスの水瓶」という問題です。
異なる3つの大きさの容器を使って決められた分量の水を計測するという全10問の問題において、最初の5問まで全く同じ方法で計量でできるが6問目以降は違った方法を使わないと計量できなくなるというとき、6問目以降も5問目までと同じ方法で測ろうとしてしまうことを言います。
本来であれば計量の仕方は無数のパターンがあるはずなのに、最初に一定の法則で使用することを頭に入れてしまうと、それ以降は違うパターンで発想することができにくくなってしまうのです。
これは日常生活でも非常によくある問題であり、ある偏った考え方に慣れてしまうと、そこから違った発想をすることを嫌うようになり、単純なことにも気づかなくなってしまいます。
与える影響、対応策
仕事がうまくいかない時には、無意識にこの「アインシュテルング効果」に陥っていないかを考え直す必要があります。
人間に限らず、動物は過去の事例から経験則を見つけて、それをパターン化して効率的に結果を導き出すことができるようになるものです。
しかし全く経験のない子供の時期にはよりたくさんの経験をして一つの結論を出しますが、年齢が高くなってくると、わずかな前例から極端なパターン化をしてしまうようになりがちです。
仕事に限らずプライベートでも、自分はそうした雑なパターン化をしてしまっていないか、常に振り返って考えるようにすることが大切になります。
アインシュテルング効果を避けるための対応策としては、まず「結論ありきで物事を見ない」ということがあります。
その結論は本当に検証により導いたものか、それとも自分の先入観で思考プロセスを遮断していないか、それを考えるようにしましょう。
それだけで、アインシュテルング効果による思考の偏りを意識して防ぐことができるようになります。