アクティブ・ラーニングとは
教育関係の記事として、ここ数年で急激に多く見かけるようになってきたのが「アクティブ・ラーニング」という方法です。
「アクティブ・ラーニング」とは学習の方法のことで、何かを学習するときに何を学ぶかというだけでなくどうやって学ぶかということに重点を置いています。
もともとはアクティブ・ラーニングは欧米の教育現場で広く使われるようになってきた概念であり、日本においても大学教育でいち早く導入をされました。
日本で最初にアクティブ・ラーニングという学習方法が提唱されたのは2012年8月の中教審(文科省中央教育審議会)の答申で、そこに大学教育にアクティブ・ラーニングを導入するメリットについて記述がありました。
これはそれまでの教育方法の概念を一気にひっくり返すものであったことから、教育の「質的転換」をするものとして大きな注目を受けたのです。
現在も大学教育の多くの現場において、教授や講師が教えてそれを学生が受講するという一歩通行の教育方法がとられていますが、アクティブ・ラーニングを導入をすることにより、能動的な学修を目指すことができるようになります。
その後2年遅れて2014年に小中高の教育にもアクティブ・ラーニングを導入しようという話がようやく出てくるようになりました。
まずは高等学校におけるアクティブ・ラーニングについて言及がされるようになったのですが、実際に現場においてどこまで導入が進んでいるかということになると、まだまだ制度が追いついていないということを感じます。
メリット、取り入れ方
アクティブ・ラーニングについてよくわからない人の感想として、体験学習やグループ学習と混同していることがあります。
確かに「アクティブ」という言葉には自ら発言をしたり、自分で研究をしたりといった姿勢が含まれますが、これはなにもフィジカルな面で動作をすることが多いということではありません。
本来的なアクティブ・ラーニングというのは学生側が授業において100%受け手になるのではなく、自分から学習に参加をしていくことを指します。
といっても、もともとが受動的教育システムで生活をしてきた人が大半の日本においては、急にアクティブ・ラーニングといってもうまくイメージができないのではないかと思います。
欧米の映画で高校や大学の授業シーンがあるとわかりやすいのですが、わかりやすい例としては「サンデル教授の白熱教室」などがあります。
「白熱教室」はNHKで何度か放映されたので、見たことがある人も多いと思いますが、教室で受講する人たちに積極的に発言を求め、そこから答を探すという方法によって進行しています。
日本においては教育現場が制度疲労をしている部分がありますので、今後どう変化していくか注目したいところです。